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中国南方で見た合成石と半貴石の生産

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 最近、中国内で半貴石の原石を売りに来ているインド人を見かける。話を聞いてみると“香港にいる時間より中国にいる時間の方が長いかな?”と言っていた。広東の広州市番禺地区に常駐するインド人の原石業者は3軒あるとも聞く。番禺(Panyu)は中国の貴金属加工の中心、製品の生産には貴石・半貴石のカット石は必需品、素材を供給する研磨工場が番禺に集まり、その研磨工場に売り込む原石業者も番禺に集まって来たのである。ブラジルの原石業者と番禺で会食の約束をした。烏 骨鶏の美味しい店にご案内したら、鳥インフルエンザが怖いので鶏肉は止めて欲しいと言われた。月1回行けという社長の指示があり年に何回か止む無く番禺に来るらしい。実際には商いとしては小さいと言う。私の知る番禺の研磨工場は十数人から数十人の規模の小さい工場がほとんどである。香港の隣・深圳周辺にも研磨工場が散在しており、今でも1000人規模の工場もある。当初、香港業者が中国へ進出、加工工場を深圳周辺に設けたが、土地や人件費が高くなって石研磨工場は徐々に深圳から撤退している。半貴石チャーム:香水瓶モチーフ
 広東の別エリア海豊・陸豊地区では大量の半貴石・雑石が丸玉、ネックレス、彫刻品、ファセットに加工されている。現地情報ではこの地区だけで世界の半分を超える生産量があるそうだ。
4000人を超える大工場もあり、1000人規模の工場はザラだ。大量に同じようなものが生産され、素材コストも加工コストもとことん絞り込まれ、香港の業者からも、広州の石の問屋街からも容易に安価に入手できる。以前は香港の展示会を見て同じ様なものばかりという印象を受けたが広州の問屋街のブースは店の見分けがつかないほど同じものを並べている。あれだけたくさんの問屋がブースを並べ、同じものを売っても商売が成り立つほど中国の国内市場は大きいのかも知れない。外国人も見かけるが買うものはあるのだろうか?

  半貴石チャーム: パンプスモチーフ中国の半貴石・雑石の生産市場は非常に大きくなってきている。カービングは手間がかかるので安い中国の人件費で作るに最適である。国際ジュエリー展などで香港の業者から良品を格安に買うことが出来る。大量に作った中には出来の良いものもある。早く売り切り回転させたい業者は、お客が良いものを選んでもさほど高くしないのである。大量生産によるコストダウンはジュエリーと言うより雑貨製品である。日本で弊社が100個から受注を受けるという話に現地では桁が違うよと笑われてしまう。残念ながら生産されるもののほとんどは欧米市場向けで日本市場を気にしていない。欧米の流行に合わせて量産されたものから日本の業者は良品を選れるが、欧米の流行が終われば生産はしないので入手できなくなる。欧米向けに造られた中の上澄みや沈殿凝縮されたものを買っているのである。リピート注文が効かなかったり、注文しても指示と違う商品が来たりするのはそのためである。欧米人に合わせたものは当然サイズが大きい。大きいものは出来が少々雑でも割安感がある。生産管理が大雑把でも問題にならない。一方で小さく繊細なものは見かけ以上に手間がかかり、コストが高くなるのでなかなか作りたがらない。
 1年ほど前に中国・広西省梧州市を訪れた。この街の合成石の研磨加工は全世界の4割を占めるという。街には宝石センターがありカット石のほかに、合成コランダム、合成スピネル、CZ(キュービック・ジルコニア)、ガラスの原石材料から、研磨材料、研磨工具などが販売されている。宝石センターの店の表には小さな黒板が置かれており、例えば“
AAA 2.5mmCZラウンド高値で買います“と書かれている。以前から話には聞いていたが、梧州には大きな研磨工場が林立しているわけではない。農家での小規模生産が主体であり、刑務所でも研磨されるらしい。農家は個人で研磨機を購入、材料も自前で買い、仕上がったものを問屋に売っている。研磨石材料のほとんどは中国国内で生産されている。1度に100kgCZを合成する大きな釜も見学させてもらった。工場には大きな釜が3台設置されていた。近くミルキーキュービックも手掛けたいと経営者は意気込んでいた。梧州で研磨された石はバンコクに大量に流れている。インド人が日本で売っている安いCZも材料の生産から研磨まで梧州で生産されたものだと思う。残念ながら、コスト下げるため原材料の純度が低く、研磨をきれいにしても十分な照りが出ない。

 
 

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